・神様のメモ帳3
著:杉井光 刊:電撃文庫前巻ラストで復活した彩夏の、記憶喪失関係のエピソードを中心にした第3巻。
正直ストーリー覚えてなかったというのは秘密です。新シリーズが2冊も挟まりましたからねえ……
アリスがツンデレに進化しつつあるのは置いておいて、1巻から比べるとすごい前向きになった主人公が良いですね。基本ヘタレではありますが、テツ先輩に勝負を挑むところとか、妙に熱いキャラになっていて。
温室の事件については……うーん。「悪人はいなかったんだ」的な終わり方がすっきりしないと言うか。
そして結局、彩夏の記憶は戻らずじまいですが、これはこれで大団円かもしれませんね。過去より未来を見ていこう、みたいな。
そしてこのシリーズ続くんでしょうかね、まだ。デレたアリスが見れたりしないですかね。しないですか。
・図書館戦争
・図書館内乱
・図書館危機
・図書館革命
著:有川浩 刊:メディアワークスアニメ化もされたということで、一気に買って読んでみました。
出版物等、メディアの武力による検閲や取締りが合法化された架空の世界で、「メディア量化委員会」と、良化委員会のメディア検閲に対抗するために武装化した「図書館」との争いを描くストーリー。
よく「図書館が武装化して検閲に対抗する」なんてぶっ飛んだ(誉め言葉)設定を考え付いたモンだなあ、と思います。
図書館を護衛する組織、図書隊に入隊した主人公を軸に、周囲の人間たちとの交わりや、社会情勢などを描写していく短編連作形式で、1つ1つの短いエピソードの中で、社会の変化や主人公たちの成長を表現しているのが見事。
特に主人公の郁の成長、変化なんかがツボでした。向こう見ずな新米隊員が、一人前に成長するところもそうですけど、上官である堂上との恋愛なんかも。これぞ正当派ツンデレじゃないでしょうかね。
4巻という巻数も多くも少なくもなく、ちょうどいいバランスで、飽きることなく楽しめました。
単行本だけに、全巻揃えるとちょっと金額がかさむのが難点といえば難点。シフトみたいに文庫化してくれれば、諸手を上げてお勧めできるんですが。
・別冊 図書館戦争 I
著:有川浩 刊:メディアワークス図書館戦争シリーズの番外編。
本編ラストで見事バカップルと化した郁と堂上の、とにかくバカップル全開な恋愛エピソードが全○編。
本編が「告白」→「あれから数年」→「結婚してる」な展開だったので、「あれから数年」を書いてくれたのは嬉しいですが、帯でも警告しているように、恋愛成分苦手な人にはダメでしょうねえ。
蛇足と言ってしまえばそれまでですが、郁のデレ期が楽しめたので、僕は満足してます。でもやっぱり個人差はあります(笑)
・幻想譚グリモアリスI されど魔刃の名のままに
著:海冬レイジ 刊:富士見ファンタジア文庫タイトルは変わっていますが、富士見ミステリー文庫で展開していた『夜想譚~』シリーズの続編です。レーベル変わったからタイトルも変えたんでしょうかね。
一応初見の人向けの仕組みとして、「主人公が事件捜査中にトラブルに巻き込まれて、教誨師関連の記憶を失っている」という設定でストーリーが組まれていますが、やはり説明不足ですし、素直に「前作読んでから読め」としたほうが良かった気がしますね。
レーベルが変わった影響からか、今までの異能風味ミステリー路線から、ミステリー風味異能バトル路線に変わったようで、謎要素は控えめで、バトル描写が多くなってます。しかし、誓護まで何か変な能力に目覚めたのがどうも……アコニットとの対比で、誓護は普通の人間であることが重要だったと思うのですが。
・神聖のレジスタ1 リリーアの子どもたち
著:北山大詩 刊:富士見ファンタジア文庫世界中に広まった宗教「オルト教」が価値観の根底にある世界で、「落ちこぼれ」の主人公が、秘めた力を発揮しつつリリーア教の真実に迫る……ストーリー、なんですかねえ。1巻は「主人公の覚醒」だけがメインになっていて、その他の伏線は全部未消化なので、今後どうなるかが読めないという。
第一印象として、まず世界設定が分かりにくいですね。多分架空歴史系なんでしょうか。中世ぐらいから「オルト教」が生まれて、そのまま現代まで進んだ、って感じなのかなあ。それなら国の単語とか変えればいいのに、そこだけは「日本」だったり「アメリカ」だったりするので、少し混乱します。
ストーリーは、主人公がいきなりゴタゴタに巻き込まれて、その最中に力に覚醒、という流れなんですが、日常→事件に巻き込まれるまでが、ちょっと駆け足気味な印象を受けます。伏線は山ほど張ってるので、2巻以降のネタには困らないと思いますが……うーん。あんまり続編に手を出したくなるような感じでは…
・黄昏色の詠使いVI そしてシャオの福音来たり
著:細音啓 刊:富士見ファンタジア文庫番外編、ということで、時系列がばらばらの短編が8編。基本は学園生活の日常編で、重い話はほとんどなく、コメディタッチの短編が続きます。
前巻で重い話が一区切り付いたので、ここらで1つ息抜き、というのはいいタイミングかと。
個人的に好きな話は、3バカ教師の迷走っぷりが楽しめる「探せ、そいつはあたしのだ!」と、ネイト大変身の「花園に一番近い場所」でしょうか。そりゃネイトなら似合いますよね、女装。
・生徒会の二心 碧陽学園生徒会議事録2
著:葵せきな 刊:富士見ファンタジア文庫生徒会会話コメディ第2巻。今回も舞台は生徒会室で、コメディ満載の会話劇が短編連作で綴られています。
1巻が気に入った人なら、あれと変わらないノリ、と考えてもらえれば。「真冬しか使わないでクリアー!」がちょっとツボでした。
そんな中で、前作に出ていた真儀瑠が教師役として登場してたり、何となく裏に潜む組織みたいなのが出てきたりしてるんですが、個人的にはこれは微妙……教師はともかくとして、組織はいらないんじゃないかと。登場人物の過去話を明かしつつ、基本は変な伏線のない、コメディのままでいいと思うんですけどねえ。
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