・ささみさん@がんばらない 7
著:日日日 刊:ガガガ文庫クトゥルフでいあいあ!な第7巻。
たまが企画したTRPG風クトゥルフイベントに参加するうちに、よみがえったアラハバキの首領こと情雨の父の画策する陰謀に巻き込まれてしまうストーリー。
とりあえず日留女を見守ることにしたものの、なんやかんやとちょっかいをかけたささみさんも巻き込まれてしまって、うさぎになったり欲望解放したりしちゃっています。なんだこの自由な子。
内容としてはまた別の神話、ということでクトゥルフを持ってきたり、TRPG風のロールがあったりするのですが、ちょっと全部中途半端な感じ。企みを黒幕が語るのは美学ですが、あそこまで何も分からないままクライマックスに突入されると、どうしても解説風味になっちゃいますしね。たまとかも後半全く出てこなかったし。
久々に再会した父と娘、というテーマが全くハートフルにならないのはさすがの日日日節ですし、エピローグが全く丸く収まらないどころか事態が悪化してるのもまた、次へ繋がりそうでいいんですが、やっぱり今回は話がパンチ不足かなと。
・女子高生店長のコンビニは楽しくない
著:明坂つづり 刊:ガガガ文庫夏休み明けに転校することが決まっていた、影の薄い男子高校生・湊人が、一夏の思い出にと、密かにあこがれていたクラスメイトが店長を務める、男子禁制のコンビニで、女装して女子店員として働くことになる、現代男の娘コメディ。
女装の理由付けも半端ですし、女装物らしいハプニングはただ盛り込んだだけという感じで、いまいち乗り切れない作品ですね。コンビニアルバイト物としても半端かなと思います。まともに働いてる風景とかほとんど出てきませんし。
全体的に軸がぶれてる感じがして、何が主体なのか分かりにくいストーリーになっちゃっているので、もうちょっとがっちりメインを定めた方が良かったのでは。それにしても、キャラの魅力が不足気味なので厳しかったかもしれませんが。
・ワールズエンド・ガールフレンド
著:荒川工 刊:ガガガ文庫とある事故で記憶を失った少女・「真夜」、その妹まひる、幼なじみの慎司の3人の、少しこんがらがった恋模様を描いた現代ラブストーリー。
エピソードは2種類で、「真夜」が事故にあって記憶を失った後、目覚めてからの「現代編」と、真夜やまひる、慎司のこれまでの体験を描写した「過去編」が交互に挟まれる形です。現代編では、記憶を失った「真夜」が、少しずつ自分の境遇への理解を進めていく様が描かれていて、過去編では、3人の普段の関係や、過去に起こったちょっとした事件などが描かれます。
その繰り返しで、「真夜」を名乗った少女が、実は記憶を失った「まひる」であり、「まひる」がなぜ「真夜」を名乗ることになったのか、その理由が明らかになる、という、考えられた構成になっています。
この「真夜」を名乗っているのは実はまひるだった、というのは、かなり早い段階で(それこそまひるが「真夜」と名乗った時点で)何となく想像がつくような書き方になっています。この話は、双子の取り替え部分がメインではなく、その後、「真夜」が記憶を取り戻した後の結末の方が重要になります。
この手の話では「死んだ人間の代わりになっちゃいけない」みたいな諭され方をして正気に戻るのが一般的ですが、「真夜」は記憶を取り戻しても、自らを「真夜」だと認識していて、「真夜」として振る舞うのをやめないんですよね。そして、慎司もそれを認めてしまう。言ってしまえばバッドエンドなんですが、その後の解説通りに、読み終えてからプロローグのシーンを読み返すと、ぐっと深さが増すというか。最後にプロローグを読んで、やっと話が完結する、そんな構成になっています。
普通の予定調和的な話を予想していただけに、この結末はかなり予想外で、だからこそ心に残りました。読み終わった方は、是非プロローグを読み返すことをおすすめします。
・背約のキャバリアー
著:六塚光 刊:一迅社文庫幼い頃過ごした街に戻ってきた主人公が、ふとしたことで幼なじみの少女が異能の力を持って戦いに巻き込まれていることを知り、彼女を救うために自らも戦うことを決める、現代ファンタジーラブコメ。
ごくごく一般的な現代ファンタジーもの。特徴は「異能力を発動するためにはヒロインの身体のどこかに浮き上がる紋章にキスをしなければならない」という設定でしょうか。ということでエロコメ風味になる…かと思いきや、イマイチ吹っ切れてない感じで、コメディとしてもバトルとしてもやや中途半端かなと。
それと話の作り方がやや強引。特に後半、赫夜が攫われるところとかは、既に宣戦布告を受けている状態なのに、なぜか赫夜を1人にするように仕向け、しかもそれがただのうっかりでした、特に重要な理由とかもありませんでした、では……喧嘩でもさせておいて飛び出させるとか、他にやりようなかったんでしょうか。夕食の買い物って。
・魔導書が暴れて困ってます。まぁ、どうしよう!?
著:瀬尾つかさ 刊:一迅社文庫このタイトル見た瞬間に買うのやめようと思ったんですが、著者が瀬尾氏だったのでぐっと我慢して…
魔法が存在する現代社会で、とある島の全寮制の学校に転入することになった主人公が、転入初日にアクシデントに遭い、魔導書を巡るトラブルに巻き込まれることになる、現代ファンタジーコメディ。
瀬尾氏にしては珍しい気がする、あまりひねりのない直球の現代ファンタジー。魔法を扱えるヒロインと、特殊能力を持つ主人公の組み合わせで、主人公は実は強大な力を持つ存在の生まれ変わり的な何かで-、という話もばっちり収録。
ここまで捻りがないと流石にちょっと厳しいですね。タイトルのインパクトはあるんですが、内容がついていってないと思いますし……
また、一迅社レーベルで書くときはあまりシリーズ化を意識していないのか、結構1巻完結気味に書かれるんですよね。そのため、今作も1巻で主人公の秘密やらなにやら一気に明かされちゃったんですが、黒幕の正体辺りはちょっと駆け足過ぎて唐突だったかも。
・MAGIの天星姫
著:天草白 刊:一迅社文庫魔術師同士が戦う競技、MAGIが盛んな世界で、偉大なMAGI選手を姉に持ちながら、自身は落ちこぼれの能力しか持たない主人公・亮介が、姉に勝るとも劣らない才能を持つ少女・刹と出会い、彼女と共にMAGIで姉を破るための特訓を始める、現代ファンタジーバトルコメディ。
現代ファンタジー魔法バトル+部活物という構成。落ちこぼれだけど努力家の主人公が、馬鹿にされたり冷たくあしらわれたりしながらも、いつかは姉に追いつこうと必死で努力するスポ根物となっています。
所謂成長物としてのポイントは押さえていますし、タッグマッチだからこそ才能の劣る主人公でも役目はある、とする内容もスムーズでいいと思うんですが、肝心のMAGIの内容がちょっと薄すぎますね。「すごい強い魔法でどかーん」でほとんどの試合が終わっちゃっていて、「競技」っぽさがあまり出てません。もう少しルールを整理して、ちゃんとした規則のある「スポーツ」のような描写が出来れば面白かったと思うのですが、これではちょっと厳しいです。
努力する主人公は好きなんですけどねぇ…
・Happy Death Day2 マーダラーズカーニバル
著:望公太 刊:GA文庫人間の肉しか食べられないがために、「生きるために」人を殺す殺人鬼、灰奈と、彼女の恋人・由が、自殺屋ヨミジという男の誘いに乗ってやってきた館で開催される、殺人鬼たちが集う「殺人鬼オフ」に参加することになる、というストーリー。
1巻からは登場人物の一部が共通していますが、ストーリー的にはそれほど繋がっていません。前巻からどうやって話つなげるかなと思いましたが、まぁこの形なら無理はないですかね。
今回のスポットライトは灰奈と由に当たっているので、相変わらずヨミジやアンは端役っぽい扱い。内容は館物のミステリー風味ですが、なにせ殺人鬼が集う館なので、ミステリーにはならず、むしろどうやって相手を出し抜いて殺すかの知能バトルになったりもします。
一見まともそうに見える由の一人称スタイルながら、後半になるにつれ由の狂気が次第に明らかになっていく様子など、よく描けていると思います。天然風ながらどこか屈折した灰奈の無邪気さも、うまく怖さに転換できていますし。
総じて1巻より楽しめました……が、これナンバリングつける必要あるのかなぁ、という気がしないでも。ヨミジとかアンを継続して出している以上、続き物とするのが自然ではあるのですが…
・双子と幼なじみの四人殺し
著:森田陽一 刊:GA文庫強すぎる正義感を持ち、そのせいで実の両親と、幼なじみの双子の両親を失った過去を持つ高校生・迷悟が、ある日学校で起こった生徒の自殺に関わったことで、屈折した愛憎劇に巻き込まれることになる、現代ラブストーリー。
とにかく迷悟のキャラがきつすぎます。悪い意味で。詳しい事情も分からないうちに「正義感が強い」っつー理由だけで、ほとんど喋ったことのない女子に対して「おめー最低だな」とか言っちゃうって、それは正義感じゃない別の何かだと思うんですが。口ではかつて起こした過ちを後悔しているように言いながら、行動に全く反映されてないのもなんだかなぁ、ですし。
また、迷悟たちの過去と現代の事件がほとんど絡んでいないため、両者がバラバラに進行してちぐはぐになってますね。観察者気取りの養護教諭といい、どうも設定とストーリーが空回りしてる感じ。
もうちょっと練って欲しかったですねぇ……
・あるいは現在進行形の黒歴史6 -幼馴染が俺の嫁?-
著:あわむら赤光 刊:GA文庫サブタイトル通り里子攻略……でもないな。ううむ。
里子から舞子の事情を聞き、最強の天使メープルとなっている舞子を捕獲すべく色々策を巡らすANGたちだったが、そこにメープルすら凌駕する最強の敵が現れて…というストーリーです。
エピソードは思いっきり「次回へ続く」ですし、クライマックス一歩手前という内容なので、次くらいで一区切りつくのでしょうか。今回は里子攻略編かなぁと思ったんですが、話のほとんどは舞子をおびき出すための作戦=英二が祭りの景品となって街を逃げ惑うシーンに割かれていたので、イマイチ里子とそういう雰囲気にはなりませんでした。ラストはちゃんと決めてましたけども。
次は中二天使を嫁にするようなので、ハーレム目指して頑張ってほしいところです。
・俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる4
著:裕時悠示 刊:GA文庫やっと修羅場っぽくなってきた第4巻。
叔母冴子の目で真涼との「偽恋人」が見抜かれそうになったため、なんとか誤魔化すべく、海水浴場で行われるミスコンでの告白大会に出場することになったものの、他のヒロインたちも出場することになってまた一騒動に…というストーリー。
今まではタイトル倒れの感がありましたが、今回の一連のイベントを通して、真涼が本格的に鋭太にデレ始めて、それを悟った千和たちも鋭太へのアピールを強化するという、言葉通りの修羅場が展開されました。やはり修羅場というからにはこのくらいでなければ。
古今東西のフィクションで「偽恋人を演じる」=最終的にはくっつく、というのが定石になっていますが、真涼さんもその例に漏れないのでしょうか。今回のキスシーンとかはなかなか可愛かったと思うので、ふつーにこのままデレてもらった方が楽しめるかもしれません。そっちの方が修羅場も増えそうだし。
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